2024,4,2 帰滋

先月の23日から東京に来て残りの学生生活を楽しんだのも束の間、滋賀に帰る日になった。

 

と同時に、本格的に遠距離恋愛も始まった。

東京駅と相手の職場の中間地点くらいで別れる時は変な感じがした。あんまり実感はなかったけど、東京駅に歩いて戻る間久しぶりにきのこ帝国を聴いたらジンとくるものがあったから多分これからひしひしと感じることになるんやと思う。

 

東京から京都へ昼行便の高速バスに乗るのは初めてやったけど、高速バスはいつもなんかウキウキするから楽しみだった。

いつも長距離移動の直前までは、あの映画観よかなとかあの本読んだろとかあの連絡せなあかんなめんどくさいなとか色々考えるけど、乗ってしまったらボーッとしてるだけで信じられんくらい時間が進むからあんまりいつもうまくいかない。

今回は今読んでる本の読破と、最近ネトフリで話題になってる三体を観ることを目標にした。

 

田舎っぺなので、初めのうちは東京の景色を見てやろうと思って、三列シートの真ん中からメガネをかけて必死こいて外を見ていた。人ごみには気乗りしないけど、バスの中から見て回る分には快適で楽しいものだった。

 

なんか悔しいけど、東京はやっぱ普通にいいところなんかもしれん、とこの1週間ちょいで思うようになった。

やはり東京と言えば、冷たくて忙しなくて気の休まらない住みにくい場所だというイメージを勝手に持っていたけど(基本ただの逆張り意識からくるものなんやけど) むしろ住みて〜とすら思うとこもあった。

この期間拠点にしていた東十条は、安すぎるスーパーやらいい雰囲気の商店街やら、どことなく下町感溢れるめちゃくちゃいいところやった。同年代くらいの人はあまりいないとは言えそれなりの人口は安定してるからこそなのだろうが、じいさんばあさんやいろんな国籍の人がやってる個人店も立ち並び、夕方には時報が流れるちょっと古い雰囲気の街が今も東京にあるんかと驚いた。これがいわゆる「人情味あふれる」なのか、、、?!と感じた。

自分の地元は、滋賀の田舎とは言え比較的新しい町なおかげで「田舎」って感じることはあまりない。「田舎」て言葉と、それにくっついてくるいろんなイメージから、人間関係の部分を取り除いた感じ。ただの住宅街で、「人情味」とか「暖かい空気感」どうこう語れるタイプの田舎ではないから、東十条の生活に結構憧れを抱いた。

 

 

とかをボーッと考えながらバス乗ってたら普通に寝てて、気づいたら富士山がめちゃくちゃ綺麗に見えるパーキングまで来てた。

そこからは起きてたけど、本読もうと思ったら車内は暗いしトンネルばっかりやしで思うように読めず、電波も立ったり消えたりで辛気臭かったのでただただボーッとしてた。

結局、アマプラで友人に観ろと言われた『パッチギ!』を観た。

バスで観るのにちょうどいい、わかりやすくて面白い映画だった。フォーク・クルセダーズが使われまくってて良かった。

勧めてきた友人は、冗談まじりに「お前は劇中のオダギリジョーや」とケラケラしていた。ろくな役回りでないんだろうなと思いながら観たけど、予想以上に友人の言葉はパンチ力のあるものだった。今年道を踏み外した世界線の俺やろこれって感じがしたので、オダギリジョーにはならないように気をつけたい。