2024,4,12 重力ピエロ 生きるためのサッカー 老人と海

この1週間で三冊の本を読んだ。

同じものを一つに絞って読み続けるとすぐ飽きるので、最近は何冊も並行して読み進めている。

 

重力ピエロ/伊坂幸太郎

生きるためのサッカー/ネルソン松原

老人と海/ヘミングウェイ

 

多分人生で初めて好きになった作家が伊坂幸太郎で、その中でも初めて知った作品が重力ピエロだった気がする。

タイトルのキャッチーさにより始めに目についたが、小学生の自分にはあんまり分からなくてすぐに読むのをやめてしまったままだった。

それから高学年・中高大と一通り伊坂作品は何かしらの形でほとんど網羅したが、重力ピエロはなんか読んでなかった。部屋の整理をした時に出てきたからようやく読む気になった。

多分、自分が何かしら文章を書くときの全体としての雰囲気や洒落の入れ方は伊坂幸太郎を意識している気がする。当然足元にも及ばないが、なんとなく文章のモデルとして抱いている。それだけあって、やはり多少重いテーマでも軽快でズンズン読めていける伊坂作品の面白さを痛感した。読書感想文は苦手なので内容に関して特に書き出すことはないが、面白かった。

そういえば伊坂幸太郎の作品ではビートルズ斉藤和義の名前・曲名が頻繁に出てくる。自分がビートルズやオアシスなどに触れるきっかけは『ゴールデンスランバー』を読んだことだったと思う。今でもビートルズの中ではゴールデンスランバーが一番好きな曲だ。

 

『生きるためのサッカー』は、日本で初めてサッカー留学生として日本に来た日系ブラジル人の方の自伝本である。大学の卒業式の日、ゼミの先生が下さった本だった。自伝本は大学の課題でマララユスフザイのものを読んだ以来だったと思う。めちゃくちゃ失礼やけど大学の先生が勧める、それもみんなに配布するレベルということと、ただの移民の自伝本であるということがなんかミスマッチな感じがして、どれ読んでやろうじゃないかという感じで読んだ。 これも思っていたより面白かった。

 

 

今日はバイト前に周辺で勉強した。交通費ですら惜しいほどの金欠なので、バイトのためだけに移動するのが勿体無いと思ったから5時間くらい早くきてスタバのテラス席で世界史の勉強をしていた。大学受験で一度一通り勉強したとはいえ、ほとんど全て忘れてしまっていると思いきや、やってみると点は残っているもので割とスラスラ進んだ。

授業動画を見るためのiPadが電池切れになってしまったので、休憩がてら近くのブックオフに行った。

なんとなく外国人作家の棚に行くと、目の前にヘミングウェイの『老人と海』があったので、読んでおこうと思い手に取った。すぐ近くにゲーテの『ファウスト』も並んでいたので、それもなんとなく買った。それぞれGalileo Galileoとブッチャーズの曲名になっている作品なので親近感があった。あとは大学一回生の時にイキって履修したドイツ文学の授業でゲーテの『若きウェルテルの悩み』は読んだことがあり、しかも直後に授業で行ったビブリオバトルもイキって同作品で臨んだ結果学科内で準優勝してしまったという経験があったので、あの時は世話になったな、賢そうな雰囲気出すための道具に使ってごめんな、という気持ちでゲーテも買っておいた。

老人と海は、100ページちょっとの短い小説だった。老人がめちゃくちゃデカいカジキを釣るために何日も闘って、ようやく釣れたと思ったらサメに追われてボロボロになりながら帰るというだけのストーリーだったが、これはかなり面白かった。ハードボイルドなおっさんが、めちゃくちゃ丁寧な条件描写とかしながらひたすら踏ん張るだけで面白いのすごい。名作と言われるだけあってやっぱり短い割に印象に残る本だった。

 

交通費を有効活用するために早よ行ったのに、結局スタバと本二冊分の出費してしまった。バイト前に腹減りすぎてもマクドに寄るのだけは我慢した。110円で名作小説が買えるという事実に触れるたびに、自販機やコンビニにふらっと寄ることがいかに無駄かを実感させられる。

結局バイト終わりに30円オフのななチキを食べてしまった。悔しい。